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未知物質の定性・定量分析

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OUTLINE

サービス概要

高分解能精密質量装置(Orbitrap Exploris 120)

 Orbitrap Exploris 120は、試料中の未知物質の定性分析に有効な分析装置です。本装置を使用し試料中の有機化合物を網羅的に分析・解析することで製品開発や品質試験における製品間の品質の差の原因推定、加速試験に伴う有機化合物の増減の把握など、関連する主要な化合物の構造や含有量を推定することが出来ます。

FEATURES

特徴

01

装置構成

Orbitrap Exploris 120(Thermo Fisher Scientific製)

液体クロマトグラフィー高分解能精密質量分析計(LC-HRMS) 

UPLC       :Vanquish Flex Dual Pump

荷電化粒子検出器:Vanquish Charged Aerosol Detector H(CAD)

UV検出器      :Diode Array Detector FG(DAD)

波長範囲    :190~800nm

質量分析計   :Orbitrap Exploris 120

最大分解能   :120,000(m/z 200)

質量範囲    :m/z 40~3,000

装置の構成

02

装置の特徴

UV+CAD+Orbitrapの同時分析が可能

 検出器を直列に搭載しているため、一度の測定でUV+CAD+Orbitrapの同時分析が可能です。極少量の試料や、安定性が悪い試料でも一度の測定でUV+CAD+Orbitrapの3種類の結果が得られるため、最小限の分析時間で多くの化合物情報を取得可能。

荷電化粒子検出器(Charged Aerosol Detector:CAD

 標準物質無しで化合物の定量分析が可能。脱溶媒した粒子に対して電荷を与え、電荷量を測定することで成分量に応じた電流値を得るため、原理上、同じ濃度であれば異なる化合物でも応答値は一定で検出。

不揮発性物質・半揮発性物質の定量に適応。定量値は研究目的で使用下さい。

 3液混合可能なポンプを2つ搭載したデュアルポンプ仕様のUPLCに接続しており、一般的なグラジエント分析に置いても逆グラジエントで移動相組成を一定にするため、荷電化粒子検出器と他の検出器を同時に使用可能。

UV検出器(Diode Array Detector:DAD

 最大190nm~800nmの連続したUV波長が測定可能。

 吸収した波長のUVスペクトルを解析することで、化合物の定量や官能基の有無の評価が可能。

高分解能精密質量装置Orbitrap Exploris 120

 最大120,000の質量分解能を持ち、安定した精密質量精度やMS/MSによる定性性能、4桁を超えるリニアダイナミックレンジの定量性能。

 

03

解析手法の紹介

多変量解析

 Orbitrapから得られたプリカーサーイオンの精密質量数とプロダクトイオンの精密質量数を専用解析ソフト「Compound Discoverer 3.3」を用いて、ご依頼の目的に合わせたオーダーメイドのノード(メソッド)を設定し、その膨大なデータを解析処理します。人の目では分からない僅かな差や変化を抽出し結果をご報告致します。

Compound Discoverer 3.3のノード設定画面

経時変化(トレンドラインプロット)

 検出された化合物の経時変化をクロマトグラムのピーク面積の分布で視覚的に表示します。試料間の差や経時変化を瞬時に確認できるため増加した化合物減少した化合物の把握に有効です。

トレンドプロット図

2群比較(ボルケーノプロット)

 差分解析を使用して比較グループで統計的に有意である化合物を抽出します。製品Aと製品Bを比較することで製品ごとに特徴的な化合物(添加物等)を把握することが可能です。

※火山型プロットを用いて有意性検定の結果のp値をy軸に、グループ間のLog 2倍率変化をx軸にプロットします。y軸のスケールは、p値の-Log10です。p値が0から1に増大すると、p値の-Log10が無限大から0に減少します。

ボルケーノプロット図

複数比較(クラスター分析)

 複数の比較グループがある場合は、階層性クラスター分析を行いデンドログラム(樹形図)を作成しクラスターを作成・分類します。異なる製品ごとに混ざりあった化合物からそれぞれ似ている化合物を分類することで、製品間で共通した化合物異なる化合物を視覚的に分類します。

クラスター分析の結果図


04

分析事例

項目 種類
検体 電池材料、電解液、樹脂、ゴム製品、塗料、ウレタン、プラスチック、異物、革製品、フィルム、不織布、溶剤、板紙、金属付着物、バインダー、高分子ポリマー、リサイクル樹脂、再生樹脂
対象成分 有機酸、界面活性剤、電解質、会合体、LiFSI、フタル酸エステル類、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工安定剤
評価方法 多変量解析、経時変化、比較試験、差異試験、劣化調査、他社品比較、不純物、トレンドプロット、ボルケーノプロット、クラスター分析

 

05

分析Q&A

Q. どんな試料が測れるの?
A. 通常、固形物であれば抽出液、液体であれば希釈ろ過して分析します。

Q. どれくらいまで測れるの?
A. 物質によりますが、概ねμg~mg/kg(L)程度です。

Q. どれくらいの試料量が必要なの?
A. とくに縛りはありませんが、概ね1g程度です(試料・分析内容によります)。

Q. どれくらいの時間で結果が出るの?
A. 試験内容によって様々ですが、概ね4週間程度です。短納期
対応もご相談下さい

Q. 結果の相談はできるの?
A. ご要望があれば試験結果について詳細な解説を行います。(ZOOM・Webex)

06

その他関連事項

 

項目 内容
分析機器 高速液体クロマトグラフ、Orbitrap Exploris 120、LC/MS/MS、CAD、荷電化粒子検出器、DAD、UV検出器、デュアルポンプ
分析手法 高速液体クロマトグラフ質量分析法、半定量、定性分析、定量分析、高分解能、精密質量、フーリエ変換
解析手法 多変量解析、差異解析、トレンドプロット、ボルケーノプロット、クラスター分析

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