ガソリン(バイオ燃料)による土壌汚染・地下水汚染の分析
環境
OUTLINE
サービス概要
ガソリンによる土壌汚染・地下水汚染では、汚染の指標として鉱物油・ベンゼン・メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)が代表的な物質でしたが、バイオ燃料の普及によりエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)も重要な項目の1つとなってきました。東海技術センターでは、従来からの鉱物油・ベンゼン・MTBE分析に加え、ETBE分析にも対応しており、ベンゼン・MTBEなどの揮発性有機化合物との同時分析が可能です。
FEATURES
特徴
背景
バイオエタノールから生成されたエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)はバイオ燃料です。カーボンニュートラル(※1)を目指している日本政府は2011年度にバイオエタノール導入目標量を設定し、徐々に量を増やしてきました。現在のガソリン汚染で規制されている項目は、鉱物油・ベンゼン・メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)であり、ETBEに規制はありません。しかし、近年地下水のETBE汚染により水道水供給に影響のあった自治体(※2)があり、大きな問題となっています。
(※1)地球規模の気候変動問題の解決に向けて、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
(※2)岩手県宮古市、山梨県都留市
エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)について
ガソリンに添加されるETBEはバイオエタノールとイソブテンの化合物です。
ETBEの人体への影響・毒性評価についてまだ十分に明らかになっていません。ETBEと似た化合物であるメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)は、水道水源の地下水汚染によりアメリカの多くの州で使用禁止されています。日本でも石油元売り大手4社が2001年にガソリンへの添加を中止しています。また、MTBEは水道水の水質管理目標設定項目に指定されており、その目標値は0.02mg/L以下とされています。
分析手法
HS-GC/MS ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析法
ベンゼン、MTBE、ETBEの分析に使用します。試料をバイアル瓶に入れて密閉・加温した際に、発生する揮発性ガスをGC/MSに導入してガス成分の種類・濃度を分析します。
GC-FID 水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ分析法
鉱物油(全石油系炭化水素(TPH))の分析に使用します。試料中の油分を溶媒で抽出し、GC-FIDに導入して油の種類・濃度を分析します。
分析の例
地下水にどれだけの濃度のETBEが含まれているか、HS-GCMSを用いて測定しました。
MTBEの測定目標値0.0002mg/L(水道目標値0.02mg/Lの1/100)と同程度まで測定が可能でした。
キーワード
ガソリン、バイオ燃料、バイオマス燃料、土壌汚染、地下水汚染、鉱物油、ベンゼン、メチルターシャリーブチルエーテル、MTBE、エチルターシャリーブチルエーテル、ETBE、バイオエタノール、ヘッドスペース、ガスクロマトグラフ質量分析法、GC/MS、水素炎イオン化検出器、ガスクロマトグラフ分析法、GC-FID、カーボンニュートラル