示差走査熱量分析装置(DSC)
製品開発・品質
製品・原材料の成分分析
未知物質の同定
OUTLINE
サービス概要
示差走査熱量分析装置(DSC)とは
DSCは、試料を加熱または冷却した時に、試料内に発生する熱エネルギーの変化を比較的微量の試料を使用し、再現性よく定量的に検出する手法であり、原理的に、エネルギー補償型と熱流束型に分けることができます。
東海技術センターが保有する装置は、熱流束型DSCであり、DTA(示差熱分析)から発展してきたもので、DTAを定量することによりエネルギーを測定する方式です。
FEATURES
特徴
01
機器詳細【Rigaku Thermo plus EVO2 DSC8231】
熱流束型DSCは、基準物質と試料を同じヒートシンクで加熱し、試料が吸発熱した際の温度差を測定します。
基準物質と試料は一定の熱量が試料容器底面から供給されます。この際、試料に流入する熱量は、ヒートシンクと試料容器との温度差に比例します。ヒートシンクは試料に比べ大きな熱容量を持っているため、試料の熱変化による温度降下および上昇を吸収し、試料と基準物質との間の温度差は一定になるように保たれます。
試料と基準物質に供給される単位時間当たりの熱量の差は、両ホルダーの温度差に比例することになり、熱量既知の標準物質を用いて較正しておくことにより、未知試料の熱量を測定することが可能になります。
DSC【仕様・装置構成】
02
温度変調DSC(ダイナミックDSC測定)
温度変調DSCは,従来の等速昇降温に正弦波の温度変調を重ねた温度制御を行いながら測定を行います。
従来型DSCでは分離できなかった複数の現象を独立して評価したり、簡便に比熱容量測定することが可能となります。
以下のような、従来のDSCでは測定困難な測定が可能です。
- 融解時の再結晶化ピークの評価
- ポリマーブレンドである成分の結晶化ピークと他の成分のガラス転移の分離
- 熱履歴解析による異物の混入経路特定
- 脱水ピーク中のガラス転移の評価
- 熱硬化性樹脂の熱挙動解析やガラス転移の評価
- 延伸したフィルムや繊維のガラス転移の評価
- 中間相(剛直非晶量・リジッドアモルファス)の定量
主な用途
- 試料の融解・ガラス転移・結晶化といった転移温度の測定
- 反応(硬化・重合)解析
- 結晶化条件検討
- 熱履歴の検討
- 純度測定
- 比熱容量測定